東北関東大震災と福島原発事故について(4)

こいぶーさんはその時生徒たちの前にいた

群馬のこいぶーさんから返信がありました。
こいぶーさんは群馬県で教師をしています。
震災の瞬間にはクラスの中で生徒たちを前にしていました。

机の下に入って、机の足を持って!

小学校の校舎2階の教室内。5時間目が終わり、そろそろ放課という時刻。私は子どもの前に立っていました。地震発生直後に3~4人の子が「揺れてる」「地震だ」とそれほど深刻な表情ではなく言った。私もその直後に揺れを感じたので、いつもの避難訓練と同様に「机の下に入って」と言う。私は事務机の下に、子どもたちは児童用の机の下に。その後「机の脚を持って!」と声をかける。 

机の下にもぐるとすぐに強い横揺れ。一瞬のうちに大きな地震であることが分かった。揺れが長く続き、少し収まった後も再びゆれだす。揺れの大きさがこれまで体験したことないものであることを認識。とても怖かった。コンクリート校舎なので、「このまま潰れたら死ぬなぁ・・・」と死をちょっと覚悟。 

近くの教室からは叫び声や泣き声がずっと続く。しかし、我がクラスの子どもたちはかなり冷静で、叫ぶ子も無く、静かにしていた。ときおりしゃべる声が聞こえたので、「静かに!」と注意。この注意は2回か3回した。 

人数確認〜集団下校を決定

しばらくすると校内放送があり、上履きのまま校庭に避難して並ぶ。学級ごとの人数確認がすぐに終わる。こういう場合、子どもたちは静かにしていることになっているのだが、結構うるさい。私の担任しているクラスはここでもおおむね静かだったが、他のクラスでは泣いたりしている子も。隣に並んでいる5年生はおしゃべりがうるさい。うーーむ。 

全クラスの人数確認が終わり、校長が「私が長い間生きてきた中でも一番大きな地震でした」というようなことを子どもに話す。 と、ここで生徒指導主任の教員が子どもたちがうるさいことに対してやや長い時間を使って説教。 何人かの教員から「集団下校」をしたらどうか、という声が出始める。この「集団下校」の担当者は私。そこで、校長のところに行き、その提案をするとその場で「集団下校」が決定。

 迎えにくる保護者で少々混乱

「オレンジメール」という名の携帯電話への一斉送信システムで保護者に「集団下校」を通知。しかし、このシステムは遅延が生じることがよくあり、また、携帯電話を登録していない保護者や、携帯電話を変えたり、メールアドを変更しても学校に連絡してこない保護者もいるのであてにならない。 

そこで、校長が「電話連絡網でも連絡してください」と言う。が、職員室には少数の教員がいただけなので徹底されず。私はすぐにPTAの学級委員長に電話をした。 一旦、教室に戻り、帰りのしたくをすぐにして再び校庭に出る。今度は靴に履き替える。 校庭に出る際、他の教員が「こんなときに電話連絡網なんて言ったって、時間が無いよ」とぼやく。ごもっとも。 ここで再びクラスごとの人数確認。2年の4クラスはすぐに確認できたので、学年主任の私が校長に報告。 

しかし、他の4つほどの学年がなかなか確認できない。その原因は、迎えに来た親がいたための混乱。 地震の大きさと「集団下校」の連絡を受け、保護者が続々と学校にやってきて子どもを連れ帰る。一応、担任に話してから帰るのだが混乱。

無事に集団下校が完了 

「3時20分に校庭に出て、3時30分に下校開始」という当初の予定は崩れ、3時40分頃?に下校開始。教員は「集団下校」訓練時に決められた通りに子どもたちと一緒に歩いて下校の安全を確認。 

私の勤務校では、避難訓練が年3回、「集団下校」訓練も3回で計6回の訓練をしていて、逃げたり校庭に並んだりというのはかなりよくできました。だめだったのは「おしゃべり」。「泣き・叫び」は、まあしょうがないんだけどね。 

福島原発事故に思う

机の下にもぐったとき「死」を意識しましたが、1号炉の爆発映像を見て再び「死」を意識しました。 原発はもう廃止して欲しいです。 これまで、反戦平和運動・労働組合運動にはかなり労力を注いできましたが、もし、このまま無事に生き延びることができたら、反原発運動にも労力を注ぎたいと思います。 

これを書いている3月19日午後8時30分現在。関東地方でのテレビ映像のすべてで原発報道番組が無くなっています。 NHK総合は、マッキンリー登山、教育テレビは料理・・・。画面の枠には文字情報が流れていますが・・・・。 私としては原発ライブ映像を24時間流していて欲しいです。 (が、NHKの30キロ離れた距離からのテレビ映像は驚異的!! あんな距離からあれほどの映像が撮れるの??!!) 

でもって、ほんとは群馬から避難したいんだけど、まだ学校が終わっておらず、このまま沖縄に逃げると生き延びることができると思うけど、もしも、原発事故が大きくならずに収束した場合、職場に戻れなくなることは確実。うーむ困った。 

すでに、勤務校では、家族ぐるみで避難した子どもが私の知る限り1家族います。連絡帳で「なぜ前橋市は終業式を早めないのか?」というような苦情を学校に伝えてきた保護者も私の知る限り2名。 前橋市教育委員会からは教員向けに文書が出た。放射能について群馬県のHPに載っているものをほぼそのまま載せ、隅に手書きで「保護者からの問い合わせには数値をあげて・・・」と安全を強調するもの。 

ところで、群馬は公共交通機関が貧弱で、車がないともうたいへん。で、、私の車の燃料残量メモリは残り2個。ガソリンスタンドは軒並み「品切れ」。うー。まあ、自転車通勤すればいいんだけど、この時期は花粉症がひどく、放射能も心配で・・・・・・。 以上です。

以上こいぶーさんからの報告でした。
皆様コメントをよろしくお願いします。
(大輔)



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